真夜中オタク戦争

語彙力は無い

10月11日に望海風斗さん表紙の歌劇を買った話

私は今月の歌劇を買っていなかった 

もう11日だ 本屋には残っているだろうか

完全にインドアになったためさらに重くなった腰をどうにか上げて駅へ向かう 田舎ゆえに電車に乗らないと歌劇を買えないのである 

途中で切符をなくした 自分の注意散漫具合に嫌気がさし最寄りまで戻った そしたら階段の一番下の段にオレンジ色の小さな切符が落ちていた 長くて大きな階段の一番下に切符が落ちている なんだか宝塚音楽学校に受かった受験生のこれからの人生を表した光景に感じた この階段の頂上がきっとトップなんだろうなと思いながらまた電車に乗った

電車をおりて何となくセミセルフコスメショップに寄った コスメを見ていると元気が出る 幼い頃ゲームセンターで取ったプラスチックの安っぽい宝石を私だけの宝石箱に入れて大事に大事にして、時たま取り出して太陽にあててキラキラと光を反射させて楽しむ ひとりっ子の私はその瞬間がとても大好きだった きっとそれがコスメに移ったんだろう キラキララメのアイシャドウ 艶やかな口紅 宝石を肌に直接纏える幸せ 化粧品は自己満と言われるが私はそれで全然いいと思う 自分が楽しくて大好きでいられる自分に もし人に褒められたらラッキーくらいのスタイルでメイクを楽しんでいる 本当の目的を忘れそうになって慌ててセミセルフに寄った時の習慣になっているTHREEのスキンケアを拝んで店を出た のぞみさんのお家にあるかもしれないものを拝めるだけで幸せ だなんてとってもちょろいオタクである おめでたい頭 それが私

本屋に到着した 幸い歌劇は残っていた 

望海風斗さんが表紙で心がふわっとあたたかくなって口角が緩んで マスクをしてなかったら私の感情が丸わかりだろう 望海さんの笑顔に「バリ愛しとーよ♡」と心の中で博多弁で返事をしてしまうくらいには好いている

この事実はもしかしたら小説の方が奇なりかもしれないけど今日は別の世界だったら望海さんとまあやちゃんの船出の日だった でもその別の世界では出るはずのなかった望海さんが表紙の歌劇を今日買っている私がいる世界も確かに存在する 交わることの無い平行世界が存在するかもしれない そう考えるととても興味深い世の中だ 

私は精神か自律神経かに何かしらの問題を抱えている もう前に出たのは昔過ぎて覚えていないが久しぶりに"発作"が出た これを発作と呼んでいいのかは分からない けど発作以外に言う手立てがないのが現実である 異常に冷や汗が出るなと思ったら金平糖がずっと喉の壁をゴロゴロと刺激しているような感覚になる 正直言ってとても気持ち悪い 高校時代は一年以上このような喉の異物感に悩まされてくっそ不味い漢方を飲んだり色々していた 吐く、死ぬ、と脳が警報をガンガン鳴らしているのが本能で感じる 思わぬ出費で痛いが水を買って頓服を飲んだ 多分私は人が多いところが苦手なのだろう 今日は特に苦手なのだろう

落ち着くために空を見るともう太陽はとっくに沈んでいて黒に近いグレー色の雲が空一面を覆っていた また違う世界の私に思いを馳せた 贔屓は白い服を着ているのかなとか私はそれを見れたかなとか見てなんて思ったのかなとか 色々センシティブな日だったらまた頓服服用案件だろうな…とか自分の脆さにため息が出る

今年の1月には特別な日になるはずだと思っていた今日10月11日が普通の日曜日になった 人生で一番泣いて笑って感情のジェットコースターに乗るつもりだったのに私は地元を歩いて本を買って化粧品を買って それは何気ない休日だった やっぱり人生とは予想ができないものだ 学校でやる人生設計はとても無駄な時間だといつも思う 

帰りの切符を買った時通し番号を見たら「6667」だった 父に「666とかオーメンだよ 悪魔の数字」と言ったら「最後の7で打ち消されてるから大丈夫」と言われた 今私はお先真っ暗だ 退団公演までに世の中が落ち着いてくれないと公演も姿さえ拝めないかもしれない でも最後の7がマイナスからの逆転、からのプラスを叩き出してくれることを祈って18時に電車に乗った